実家の相続問題!
相続財産といえば”不動産”をイメージされる方も多いのではないですか?
不動産とは土地や建物などのことをいいますが、実際相続財産の中でも価値の高いものが多いです。
しかも不動産は分けにくいことから、相続トラブルの元凶のような扱いを受けていました。
しかし最近では核家族化が進み、実家を相続する必要が少なくなってきています。
それにより実家が「相続したい価値あるもの」から「相続することで負担が増えるもの」に変わってきています。
どちらもトラブルの元になりかねませんが、内容が全く変わってきてしまいました。
それに伴って増えているトラブルがあります。
「共有」と「空き家」です。
共有とは一つの不動産などを数人のものとすることをいいます。
それぞれの持ち分を定めてみんなで不動産を管理するのです。
これの何がトラブルを生むのかと言いますと、共有という状態では当該不動産を売却しようとしても単独ではできず、全員の承諾が必要になります。
なので、共有者の一人に事情があって急にお金が必要だからと言って不動産を売却してお金を確保するということがすぐにはできない可能性があります。
また管理方法などをめぐって共有者間でもめてしまうことも少なくありません。
その結果誰もきちんとした管理ができなくなり発生するのが「空き家問題」です。
共有の特徴でもありますが、「誰かがするだろう」という勘違いの結果手を付けられないほどに草木が生えてしまったり、家屋が傷んでしまったりしてこのままでは居住はおろか使用することもできない状態になってしまうことがあります。
その間にさらに時間が過ぎ、共有者の相続なども発生して雪だるま式に共有者が増えていくこともあります。
そうした現状が特に地方では起きています。
ではなぜそんな老朽化した家屋を建てたままにしておくのでしょうか。
万が一その建物が壊れたせいで誰かに損害を与えてしまった場合民法上責任を負うことになるのに。。。
それには上記の共有者の意思疎通が図れないという実態のほかにも2つの理由があります。
一つは解体費用を誰が出すのかという問題です。
誰しもわざわざお金を使うだけのことはしたくありません。
今まで大丈夫だったのだから自分が出費しなくても建物として何とかなるだろう。と考えてしまいがちなため対策が遅れていく傾向にあります。
そしてもう一つの原因は住宅用地特例の存在です。
これは何かといいますと、土地の上に建物が建っていると敷地の固定資産税や都市計画税が安くなるという特例があります。
つまりどんなにボロボロの家であっても”建物”である以上この特例が適用されてきたのです。
結果ずーっと放置されていた住宅が隣地に影響を与えだし、近隣からの苦情がたくさん役所に寄せられるようになりました。
そこで各市町村などは独自に条例を制定し空き家対策をすることにしました。
とはいえ条例ですから統一した国のルールはありません。
なのであまり強烈な手段をとるわけにもいかず、結果として今までよりちょっと踏み込んだ「お願い」という状況が続いていたのです。
そこでやっと国も動きました。
「空き家対策特別措置法」という法律を作り、市町村などが空き家を管理しやすいようにしたのです。
この法律により明確に市町村の対応が定められました。
所有者の特定にあたり行政機関が持っている情報を適切に利用することができるようになり、所有者不明という建物について調査することができるようになったり、指導や助言に従わない所有者に対しては「特定空き家」に認定し、固定資産税などの減税メリットをなくすという対応ができるようになったのです。
この特措法によって最終的には代執行(本来の所有者等が取り壊すという義務を行政が代わりにすること)ができるようになりました。
もちろん取り壊しの費用は所有者に請求されます。
空き家の近くに住まわれて生活に支障が出ている方はぜひ一度ご相談ください。
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