疑問を解決!後見Q&A
ここでは後見制度についての質問に事例を交えてお答えしたいと思います。
「保佐」の申立てをして、重要な財産行為について同意権・取消権を有しておき、代理権取得を申し立てないことや、代理権を取得するにしても○○万円以上の契約についてのみ代理権(同意、取消権含む)を行使できるように申立てを行うことで対応できます。
認知症の方などであっても普段からずっと認知症の症状が出ているわけではなく、時折会話がかみ合わないなどの症状が出られる方もおられます。普段から会話が上手なだけにそこにつけこんで高価な商品を買わせようとする悪徳業者が寄ってこないとも限りません。
後見制度における判断能力ですが、一般的には「財産管理上の判断能力」と言い換えることができます。今回の事例で言えば、会話は基本的に問題ないが、金銭管理に問題が出てきそうなので、後見等を申し立てることが必要になってくるのではないかと思います。
任意後見人には取消権はありません。
上記のケースであれば未然に防ぐことが最優先になります。手段としては、お母さんには普段使い用のお金を毎月一定量でお渡しし、それ以外のお金は銀行で管理をします。そして通帳やカード、印鑑類は後見人が預かることにより勝手に契約書に判を押すことや口座引き落としをされないように守ることができます。
後見人はこの場合取消権を行使することになりますが、その場合商品等を弁償しなければならないのかが問題になります。
民法121条但し書きには
制限行為能力者は、その行為によって現に利益を受けている限度において、返還の義務を負う。
と定められています。現存利益といいますが、残った分の返還で足るということです。とはいえ、相手の方にしっかりご説明するためにも誠実な対応をされた方がいいでしょう。
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