法定後見とは
法定後見とは認知症や知的障害などで判断能力が低下してしまった方のために成年後見人などのサポーターをつけて本人の生活を保護していこうという趣旨の制度です。
この判断能力を「事理弁識能力」というのですが、その「事理弁識能力」の低下の度合いによって利用できる制度が分かれており以下の3種類になります。
後見・保佐・補助 の3種類です。
後見とは
後見とは事理弁識能力を欠くと判断された人に成年後見人をつけて身上監護や財産管理を委託する制度です。
成年後見人がつくことによって
@本人の財産に関するすべての法律行為を代理して行うことができる。(代理権)
A本人が自らした財産の処分や本人に不利や契約を後から取り消すことができる。(取消権)
これだけ見ると何でもかんでも後見人が行動を決めてしまうように思われるかもしれませんが、まず前提として本人保護が特に要請される方が被後見人(後見される人)になることやご本人が自ら行った行動でも「日常生活に関する行為」は取り消すことができないことなど本人の自己決定権も尊重された内容になっています。
「日常生活に関する行為」とは…
@食料品の購入
A衣料品の購入
B生活雑貨の購入
C医療費の支払い などです。
基本的にはお金を借りたり、土地を売却したり、高価な契約をしたりといったことに後見人が関わり、その他の生活の事はできるだけ本人の自己決定を尊重する趣旨の制度ということです。
とはいえ食料品の購入だからといって何の制限もなしにしてしまうと後見人を立てる意味がありませんので、ご本人の通帳等を管理させていただき、生活資金を必要分ずつお渡しするなどの工夫をする必要があります。
大切なご家族などの介護や支援を契約などの面から少しでもサポートさせていただければと思います。
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