具体的な調査方法
それでは財産調査の具体的な方法を資産・借金に分けて見ていきましょう。
資産編
資産とはその名の通りプラスの財産をいいます。
現金については家中を探して見つけるという非常にアナログな方法しかありません。
預貯金についてはもう少し賢くいかないと非常に手間がかかってしまいます。
具体的には被相続人(亡くなった方)が生前利用していたであろう銀行や信用金庫を片っ端から当たります。
その際に参考にするのが通帳や粗品です。
カレンダーやタオルなどの粗品を探してみてください。そこからご家族も知らない口座が見つかることがあります。
それとパソコンをよく使われる方であればブックマークの確認もお忘れなく!
不動産に関しては各市町村役場にて名寄帳というものを取り寄せることでほとんどの所有不動産を調べることができます。
負債編
負債とは簡単に言えば借金です。
こちらは非常に面倒です。
というのも借金があることを大々的に家族に発表する人はなかなかいらっしゃらないからです。
家を建てる時のローンであればすぐわかりますが、消費者金融などの借金はパッと見ただけではわかりません。
そこで信用情報機関というところで照会をします。
ここでは消費者金融やクレジット系、銀行系などの債務を確認することができます。
その他にも通帳をしっかりと調査して定期的に振り込んでいる相手がいないかを調査したり、契約書を探したりといった方法で調査をしていきます。
債務の調査においては保証債務をしっかりと調べる必要があります。
保証債務とは連帯保証人などの事です。
これに関しては直接の債務者でないので分かりにくいことがほとんどです。
しかも連帯保証であれば直接取り立てられる危険性もあるので、生前より被相続人としっかりとコミュニケーションをとって保証債務の有無は確認しておきましょう。
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